シャラノキ(沙羅の木)シャラノキは「ナツツバキ(夏椿)」とも呼ばれ、椿によく似た美しい白い花を初夏に咲かせます。
株立ちの樹形が美しい落葉樹ですが、葉が落ちた後の幹肌の模様がとても美しく観賞に値する樹木です。
ヒメシャラに比べて、花も葉も大きいです。
花も直径5cm以上あり、つるつるとした美しい木肌と綺麗なまだら模様の幹が大きな特徴です。
これらは幹の表面が少しずつ薄くはがれ落ちて作られます。
ヒメシャラの幹はまだら模様はなく、赤褐色の木肌で、その幹の美しさは樹木の中でも定評があります。
シャラノキに咲く白い花は、朝に開花したら夕方にはツバキのようにポトリと地面に落ちてしまいます。
それゆえ、はかない美しさがたたえられます。

インドの高地に自生する、沙羅双樹(サラソウジュ)という樹木と
シャラノキ(ナツツバキ)が間違われた説があります。
沙羅双樹(サラソウジュ)は樹高30m以上に成長する樹木です。
沙羅双樹は、シャラとは別の植物です。
沙羅双樹は寒さに弱く、日本では越冬は難しいようです。
植物園の温室では沙羅双樹が育てられているかもしれませんが、
暖かい温室でも日本で沙羅双樹の開花は極めて難しいです。

シャラノキには花色が白いタイプと淡い桃色タイプがあります。
日当たりがよい、風通しのよい場所を好みます。
直射日光や西日をうけて乾燥しすぎるところは苦手なので、
湿り気のあるような土壌に植えるのがポイントです。

樹木の管理は比較的容易で、秋から冬の時期に軽く剪定作業します。
混みあった枝を切り揃えるなど軽い剪定をしておきましょう。

シャラノキは比較的強く育てやすいですが、まれに灰色かび病や葉枯病(葉がしおれて枯れる病気)が発生する場合もあります。
発生した場合はすみやかに駆除しましょう。

シャラノキにはチャドクガが頻繁に発生することがあります。
チャドクガは葉を食べて群生して発生しますので、あっという間に樹木のほとんどの葉が食べつくされてしまうこともあります。
チャドクガが発生したら、ただちに駆除しましょう。

秋には美しい紅葉も楽しめる樹木です。
お寺などに植えられていることも多く、ご自宅の庭にもお勧めできる樹木の一本です。

シャラノキ(沙羅の木)
シャラノキ(沙羅の木)
シャラノキ(沙羅の木)
シャラノキ(沙羅の木)
茶毒蛾
 

沙羅双樹(サラソウジュ)

沙羅双樹(サラソウジュ)
沙羅双樹(サラソウジュ)
 

姫沙羅

姫沙羅
姫沙羅