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2025.10.12園芸の豆知識
アロエはツルボラン科アロエ属に分類される多肉植物の総称で、世界に300種以上が知られています。 主にアフリカ南部やマダガスカル島に分布し、古代アラビア語の「alloeh(苦い汁)」が名前の由来です。 薬用植物としても有名です。
葉は細長く肉厚で、内部にゼリー状の水分を蓄えます。 種類によっては高さ10m以上になるものから、5cmほどの小型種まで、約500種の原種が存在します。 エジプトやギリシャでは紀元前から利用されてきました。 アフリカ原産のものには樹高2mほどに成長する種もあります。
日本では、キダチアロエが九州や瀬戸内海、伊豆半島、房総半島などの太平洋側の海岸に野生化しています。 流通している主な品種はキダチアロエやアロエベラで、食用や観賞用として栽培されています。 分類体系によっては、ツルボラン科のほか、ユリ科やアロエ科、ススキノキ科とされることもあります。
アロエには茎があるものとないものがあり、分枝するものやしないものなど多様です。 葉は肉厚で先が尖り、縁に鋸歯やトゲがある品種も多く、肉薄な葉の品種もあります。 花は橙色や黄色で、花茎は数cmから1mほど伸びることもあり、主に鳥が花粉を媒介します。 観賞価値の高い花を咲かせる種類も多く、暖地では冬に1ヶ月以上花が咲き続けることもあります。 斑入り品種もあり、小型~中型鉢として流通しています。
アロエは日当たりを好みます。 鉢植えの場合は春~秋は屋外で、冬は室内の明るい場所で管理しましょう。 寒冷地では温室栽培も可能です。 乾燥には強いですが、寒さにはやや弱いです。 栽培適温は15~30度です。
4月~10月の春から夏に生育します。 日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。 暑さや乾燥に強く、夏でも生育が悪くなることはほとんどありません。 最低気温が10度以下になると生育が弱まるため、冬は室内の窓辺や霜の降りない軒下で管理しましょう。 暖地では庭植えも可能です。
冬(11月~3月)は休眠するため、水やりは控え、乾燥気味に管理します。 春に新芽が出たら少しずつ水を与えます。 夏は用土が乾いたらしっかり水やりしましょう。 冬季は水分を断つことで5℃以下の低温にも耐えます。 庭植えの場合は降雨に任せて水やりは不要です。
鹿沼土小粒、赤玉土小粒、ピートモス、川砂など、水はけの良い用土を使いましょう。
初夏~初秋に、油かすなどの置き肥を月1回施すか、緩効性化成肥料や液体肥料を希釈して少量与えます。
花や蕾にアブラムシやカイガラムシ、根にネジラミが発生することがあります。
用土が古くなり株の生育が悪くなったら植え替えます。 生育期間中はいつでも可能です。 株を大きくしたくない場合は小さめの鉢に植え替えましょう。
挿し木や株分けで増やします。 5月~9月に葉を切り、1週間ほど切り口を乾燥させてから細かい軽石などの用土に挿すと発根しやすいです。
多くの種類は丈夫で、暑さに強く寒さにはやや弱いです。 花が咲いても株は衰弱しませんが、咲き終わった花茎は根元から切り取って処分しましょう。