ガーデニングやエクステリアに関する豆知識。
2025.07.16園芸の豆知識
クチナシはアカネ科クチナシ属に属する常緑の低木です。 日本の本州、四国、九州、沖縄が原産地で、梅雨の時期(6月~7月)に純白の6弁の花を咲かせます。
名前の由来は「秋に橙色の果実が実りますが、この果実が裂けず、口を開かない(口無し)こと」に由来します。
花は夕方から咲き始め、夜になると香りが一層強くなります。 1~2日で黄色くなって散る短命な花ですが、次々に新しい花が咲きます。 花のタイプは一重咲きと八重咲きがあり、直径は5~10cmほどです。
樹高は一般的に1~2mほどで、葉は常緑で光沢があり、濃い緑色で葉脈がはっきりしているのが特徴です。
クチナシは常緑低木のため、生垣や目隠しとしてよく利用されます。 樹高が低く(約50cm)鉢植えで育てやすい「コクチナシ」も人気です。 庭木として広く栽培されているのは、大型の八重咲きの花をつける「オオヤエクチナシ」です。 ただし、八重咲きや大輪系の品種は見事な花を咲かせる一方で、果実は実りません。
花つきを良くするには、日当たりの良い場所が最適です。 ただし、乾燥にもある程度耐えますが、強い西日が当たって乾燥しやすい場所は避けましょう。
鉢植えでも地植えでも、水切れに注意が必要です。
開花後に、お礼肥として油かすなどを少量施します。
風通しが悪いと病気が発生しやすくなります。 剪定作業をして風通しをよく保つようにしましょう。 また、すす病、さび病、黒点病にも注意が必要です。 害虫としてはアブラムシ、カイガラムシ、オンシツコナジラミなどが発生します。 特に夏の時期に頻繁に発生するオオスカシバの幼虫は葉をひどく食害しますので、殺虫スプレーなどで防除しましょう。
黒土に腐葉土を混ぜ、腐植質が豊富で保湿性と通気性の高い土を使うとよく育ちます。
植えつけ時期は春(4月~5月)または秋(9月~10月)が適しています。
鉢植えの場合は、用土の通気性を保つために2~3年に1回植え替えをします。
剪定は花が咲き終わった直後に行います。秋に強い剪定をすると花芽を切り取ってしまい、翌年の花つきが悪くなるため注意しましょう。
秋から冬にかけて実る橙色の果実は、昔から黄色の染料として広く利用されてきました。 たとえば、大根で作る黄色の沢庵やお菓子作り、おせち料理の栗きんとん、果実酒、ゼリー、キャンディなどにも用いられます。 また、「山梔子(さんしし)」という名で漢方薬としても知られています。
今年もまた、美しい花とよい香りが楽しみです。