【ウツギ(空木)の特徴】
日本固有の落葉低木で、漏斗状の花が5~6月に開花します。
品種によっては、海辺や海岸などの環境を好みますが、山の谷間や平野でも広く自生しています。
ウツギは身近にある庭木で、比較的容易に育てられるため、初心者向けで人気があります。
茎の中が空洞になっていることから、樹木が枯れているのではと勘違いしますが、
それがウツギ(空木)の特徴です。
また、卯月に花が咲くことから「ウツギ」と名前が付いたとも言われています。
ウツギ属ではない花木にもウツギの名前が付いている場合があります。
葉や花の形状がそれだけウツギによく似ていることが原因かと思われます。
放置すると枝が暴れてしまうため、剪定作業により樹形を整えて栽培します。
![ウツギ(空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/8f24403aa87ae2d4401f3156c0447d81.jpg)
![オオベニウツギ(大紅空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/f43257061410c545010f3ed6696f72f8.jpg)
【大紅空木】オオベニウツギ
スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木です。
タニウツギ属は北海道や本州にも自生していますが、オオベニウツギは中国原産です。
花色は、濃紅色の品種と桃色から白色に変化する品種があります。
低木でそれほど大きくならないことや花が美しいことで人気があります。
枝がよく伸びて成長するので、樹形を保つために剪定作業は欠かせません。
花は枝先が見えないほど、たくさん咲きます。
班入りオオベニウツギは、班入りの葉と花は濃い桃色から
次第に咲き進むと白色へ変化するので、とても人気があります。
バリエガータの品種名もよく知られています。
翌年の開花のためにも、成長が著しい樹木には剪定は重要です。
耐寒性、耐暑性ともに強く、初心者向けの庭木です。
【桜空木】サクラウツギ
アジサイ科ウツギ属の落葉中木で、日本原産の庭木です。
5枚の花弁をもつ品種が多いですが、八重咲き品種もあります。
可憐なさくら色の花びらが美しいと人気があります。
花びらは絞り模様で気品があり、ウツギの中でも美しい色合いが好まれています。
また、耐寒性と耐暑性もとても優れています。
開花期には一斉に咲いて、満開時は見事な景観になります。
枝がよく伸びてしまうため、花後は6月中頃までに剪定作業が必要です。
7月中頃には翌年の花芽ができるため、剪定によって花芽を落としかねません。
![サクラウツギ(桜空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/b8fe6d224d9f23b5a5ff2d548247ebcb.jpg)
![サラサウツギ(更紗空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/ff5d9a80853f34c23bdf694da74292b2.jpg)
【更紗空木】サラサウツギ
アジサイ科ウツギ属の落葉中木で、ウツギの変種で日本原産の庭木です。
花は八重咲き、花弁の外側は淡い紅色でとても美しい。
全体を見ると淡桃色に見えることもあり、優美な華やかさが存在しています。
ウツギの中でも美しい色合いが好まれて人気があります。
サラサウツギが一斉に咲いてみせる満開時は、見事な景観になります。
枝がよく伸びてしまうため、花後は剪定作業が必要です。
冬には、伸び過ぎた枝を切り戻して樹形を整えます。
木の個体によって花色は紅濃淡や白花もあります。
【谷空木】タニウツギ
タニウツギ科タニウツギ属に分類されます。
スイカズラ科に分類されることもあります。
日本海側に多く自生して、谷に多いことから名付けられています。
タニウツギには10種類以上があり、オオベニウツギやハコネウツギなどの品種があります。
また、世界にも多くの種類が分布しています。
花色は淡い紅色から様々で、花の先端に近くなると紅色が薄く変化します。
![タニウツギ(谷空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/0746cb259926db02df09d944c7a5c5b2.jpg)
![ニシキウツギ(二色空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/7025426296910ed2aaf079fa89ab5391.jpg)
【二色空木(錦空木)】ニシキウツギ
スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木です。
本州、四国、九州の山地に多く分布しています。
厳しい環境にも順応する丈夫さをもったウツギです。
山地でも育ちますが、庭木として花後に切り戻せば背丈も調整できます。
耐寒性、耐暑性が強く、病害虫もほとんど発生しません。
開花期は5~6月。
ウツギの中でも他のウツギと比べると花は少ないです。
花の咲き始めは淡い緑色。
咲き進むと白くなり、最後の方になると紅色に変化するため、錦空木とも呼ばれます。
葉は6~10cm程の卵形。
葉の縁は細かい鋸歯状になり、葉の先端は尖っています。
タニウツギの中でもとにかく丈夫な種類です。
【梅花空木】バイカウツギ
アジサイ科バイカウツギ属に分類される。
本州から四国、九州にかけ分布している落葉低木。
梅によく似た白い花を6月~7月頃に咲かせます。
中国では「山梅花」と呼ばれます。
古代より品種改良が進められて、香りのよい品種や八重咲きの
園芸品種などが広く栽培されて生まれています。
![バイカウツギ(梅花空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/0a0edac604bdd5284d8ad86cf0e39858.jpg)
![ハコネウツギ(箱根空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/1372a893008f77c4a3e047ba220fac5b.jpg)
【箱根空木】ハコネウツギ
箱根に自生していることはほとんどなく、箱根に多く見られるのはニシキウツギであり、
間違えて「ハコネウツギ」と名付けられたようです。
ハコネウツギの花は、咲き始めは白色、次第にピンク色、開花が進むと濃い紅色へ変化して咲きます。
一本の枝に付く花色が異なるので、鮮やかな変化を楽しめます。
昔から人気の高いウツギの品種です。
葉の縁は鋸歯状になっていて、少し楕円形で丸みがありますが、葉毛はありません。
庭木として特に成長が著しいハコネウツギは、剪定作業はどうしても必要です。
成長が早すぎるため、鉢植えには向きません。
日当たりのよい場所と水はけのよい環境で生育させることが望ましいです。
半日陰でも成長しますが、日光が当たる場所ではたくさん開花します。
樹枝が暴れてしまうため、花後の剪定作業は重要なポイントです。
【姫空木】ヒメウツギ
アジサイ科ウツギ属の落葉低木です。
ユキノシタ科に分類されることもあります。
ヒメウツギは関東以西、四国、九州に分布しています。
日本固有種で岩の上や林の縁などに多く自生しています。
ヒメウツギの開花期は4月~5月で、花色は白色のみです。
花期には枝が花で覆われてしまうほど、たくさんの白い花を咲かせて楽しませてくれます。
美しい花は重宝されて、古代より庭木として頻繁に植栽されています。
樹形は自然にまとまり、枝はよく伸びて分枝して、花後は枝が垂れた形になります。
とても丈夫で病害虫の発生もありません。
近年は栽培品種も作られて、世界的にも普及して日本の一般的な花木として認められています。
![ヒメウツギ(姫空木)](https://www.e-niwa.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/05/f257f7313ea2f682f598ec27fdd48827.jpg)