アガパンサス(紫君子蘭)

ユリ科アガパンサス属の植物。
原産地は南アフリカです。
梅雨入りの頃から夏にかけて、青紫色や白色の花が涼しそうで印象的。
すらっと長く伸びた茎の先には、まるで花火のような花が咲きます。
とても丈夫で植えたままで何年も育つため、公園や川沿い、草原でも見られて
優雅で存在感があります。
花色は紫、青紫色、白、複色。
開花期は5月下旬~8月上旬。
冬時期にも常緑の多年草の品種と、冬時期には地上部が枯れる宿根草の品種があります。
品種によって、草丈が30cm程の小型種から1m以上になる。
大型種もあります。
アガパンサスの種は、ほとんど市販されていません。
ですから、苗または根茎から育てるのが通常です。
苗や根茎の植え付けは、4月~6月中頃、または9月~10月中頃が最適。
植えつけ後は放っておいても毎年花が咲くので、ガーデニング初心者にも比較的お勧めです。
今年こそ、育てやすいアガパンサスに挑戦してみましょう。

アガパンサスの特徴

アガパンサス(紫君子蘭)

鉢植えと地植えのどちらでも育てられますが、品種によってかなり大きく育ってしまいます。
そのため小さめの品種は鉢植え栽培を選び、太い根を張って生長が著しい大きくなる品種は
地植えで栽培するのがよいでしょう。
落葉種は耐寒性が強い品種が多く、常緑種は耐寒性が低く、暖かい地域に向いています。
どの品種も基本的に耐暑性は強く、真夏の直射日光も問題ありません。
アガパンサスは生育がとても旺盛です。
根は横にも下にも長く張って生長を続けます。
そのため鉢植えにする場合、あまり小さな鉢は向きません。
なるべく大きめの鉢で、日当たりよく水はけのよい場所で生育させましょう。
鉢植えの用土は、草花用培養土を用います。
用土を作る場合は、赤玉土7:腐葉土3を混ぜた用土にします。
また、軽石10%を混ぜて水はけをよくします。
植え込みする際は、緩効性化成肥料を混ぜ込むとよいでしょう。
地植えする場合、堆肥や腐葉土を多めに加えて土をふかふかに柔らかくします。
基本的に肥料は必要ありません。
生長を促したい場合は、春と秋に化成肥料を施しましょう。
基本的に環境の適応能力が高く、土質もこだわりません。
寒い暑いにも比較的に強いので栽培は容易です。
乾燥には強いのですが過湿が続くと根腐りしやすいため、
表面の土がしっかり乾いてから水を与えましょう。
地植えの場合、ひどい乾燥状態でなければ雨水のみで問題ありません。
また、寒冷地では鉢植えにして冬時期は室内に取り込みましょう。
生育させやすいのは地植えですが、日当たりと水はけがよい環境は
どちらの栽培にも大事なポイントです。
地植えにする場合、品種によって大きく生育するため、植える間隔は広めに取りましょう。
アガパンサスの花後は、花茎の付け根から花ごと切り落とします。
花茎がついたままにすると、種つくりで栄養分が奪われて茎や根が弱ります。
花がら摘み以外の作業は特になく、枝が伸びないため、剪定作業も必要ありません。
種を採取したいときは、必要なところだけ残しておくとよいでしょう。
鉢植えは根詰まりを起こしやすいため、数年に一回は大きめの鉢に植え替えすることをお勧めします。
植え替え時は根を傷めないように作業には注意が必要です。
地植えで生育させる場合、植えたまま放置しても毎年のように開花してくれる頼もしい植物です。
また、ほとんどの場合、病気にはかかりません。
春から夏の高温期にはアブラムシが発生しやすくなります。
一般的には新芽や葉裏などに寄生して葉汁を吸いとり、生長を妨げます。
アブラムシの発生に気づいたら、薬剤を散布して駆除しましょう。

アガパンサスの原種・園芸品種

南アフリカではアフリカンリリーと呼ばれて、10~20種ほどの原種が自生しています。
また、交配などで生まれた園芸品種は、300種以上になります。
ここでは、生育が可能な原種の種類と園芸品種を紹介します。

【原種】

プラエコクス・オリエンタリス

常緑種で、花は青紫色。
草丈は60~100cm程。
原種の中でも大きめ。
花茎も1mくらいになり、葉も長く50cm以上。
栽培が多く見られるのはプラエコクス種で、この種からは多くの園芸品種が生まれている。
品種改良による花色は青色、青紫色、紫、薄色~濃色と花色は豊富。
花数は少ない品種と多い品種があるが、比較的に丈夫な品種が多い。

イナペルツス

落葉種で、花は白や青紫色。
花の咲き方が他のアガパンサスと異なる。
細い筒状の花が多数ついて、つぼみは上を向いて、咲き進むと花は下向きになるのが特徴的。
耐寒性が強く、草原や川の近くでもよく見かけます。

プラエコクス・オリエンタリス

【園芸品種】

リリプット

リリプット
花は青紫色。
小型で花つきもよい。

ストリーム・ライン

ストリーム・ライン
花色は白。
白地に青い筋がきれいに入る。
小型で花つきもよい。

シルバーベビー

シルバーベビー花色は白で、花つきもよい。
花弁の縁が淡青色に染まる。

ジューン・ブライド

ジューン・ブライド
草丈60~80cmくらい。
清純な白い花が美しい。

ガーデン・クイーン

ガーデン・クイーン
草丈60~90cmくらい。
花は白色。
咲き進むと花色は薄いピンクに変わる面白い品種。

紫式部

紫式部
花色は華やかな青紫色。
草丈は90~100cm以上。
花色が魅力的で、大きく生長するのが特徴。